空のいろ

本、映画、TVドラマの感想を書いてます。悪性リンパ腫になってしまいました

「自閉症の僕が飛びはねる理由」東田直樹氏著

2017.04.01.
深冬です。
初めて、東田さんの文章に出会ったのは、何年前だったでしょう。
ビッグイシュー日本版でした。
病院へ行く途中で、待ち時間に読もうと思って買ったのです。

東田さんは自閉症です。

たしかその時のエッセーでは、彼は、自分の頭の中は、整頓されていない引きだしの様だと書いてあったと思います。時間も空間も何もかもごちゃ混ぜだと言ういうような要旨でした。数年前のことなので、記憶違いがあるかもしれません。
けれど、自閉症だという彼の世界が、見事に表現されていて、心を奪われました。


私は、保育士にはなりませんでしたが、幼児教育を学んでいました。
短大の図書室には、自閉症や、発達障害の子どもたちの事を書かれた本がたくさんあって、随分呼んだつもりでした。
今も本屋さんでそういう本に出会うと読んでしまします。


けれど、東田直樹さんのこのエッセーは、衝撃的でした。
顰蹙を買う言い方かもしれませんが、魅せられもしました。


本が出版されている事も知りましたが、取り寄せを先延ばしにしていたら、NHKで彼の特集をやっていました!
見逃さないで済んだのは幸運でした。
彼の努力する姿は、何に例えていいのかわかりません。


やっぱり彼の本が読みたいと思いつつも、取り寄せまではしていなかったある日。
去年の初夏。
本屋さんで、彼の本が平積みになっているではありませんか。


自閉症の僕が跳びはねる理由」東田直樹氏著。角川文庫。定価:本体560円+税


残り少なくなっていた本を、即、手に取りました。

私がビックイシューで初めて読んだ彼のエッセーは、大人の文章だったように思います。
この本の彼は13才。中学生です。
率直な質問は、彼が答えやすいように考えられたものかもしれません。
それに、彼は、素直な言葉で誠実に答えています。

彼は、努力しなくてはいけないことがとても多い。それに向き合う事は、ご家族や周りの全ての方も含めて、忍耐と勇気が必要。
けれど苦しいだけでなく、彼だからこそ感じられる美しく優しい世界もあると知りました。
それは、自閉症の人たちと接する全ての人達に、一条の、いえ、心を揺さぶるような希望を感じさせてくれるのではないでしょうか。

そんなことを思ったのは、この文庫版の終わりに「解説にかえて」という英語版翻訳者の体験が書かれていたからです。
翻訳者の、自閉症の子供を持つ親として、補足のように書かれたこの「解説」が、東田さんの文章からは読み取れない実情を知らせてくれます。
この「解説にかえて」も是非読んでください。



今年高校生になる甥にもプレゼントをしたのだけど、読んでくれたかなぁ・・。



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自閉症の僕が跳びはねる理由 (角川文庫)